こんにちは、公認訓練士のいぬ先生です。
今回は、犬を叱ることについて解説していきます。
この記事を読めば
- 犬の心理の変化
- 叱ることの無意味さを知れる
- 犬と人間の違いを知れる
以上の効果が得られます^^
では早速みていきましょうー
結論
いきなり結論ですが、犬が悪いことをしたときに叱ってもまっっっったく意味がありません。
身も蓋もないですね^^
なぜなら、犬が起こした行動と結果をつないで嫌悪感情を与えることは限りなく至難の業だからです。
そうは言っても飼い主さん達はいつまでも同じことをしてしまいますね。気持ちは分かります、人間だもの。
ただし、犬には伝わっていませんよ。
その理由を解説します。
犬を叱ることが難しい理由
- 一、感情の切り替えが早いから
- 二、ストーリー記憶が刻まれにくいから
- 三、条件付け学習をするから
- 四、副作用があるから
詳しく解説していきます。
一、感情の切り替えが早いから
犬を含む動物たちは感情の切り替えが早いです。
なぜなら、失敗や後悔をいつまでもひきずっていたら生きていけないからです。
例えば一度狩りを失敗した野生の犬が居たとします。
その犬が「ああ逃げられた、自分は狩りができないポンコツなんだ」「自分は狩りに向いてないんだ」なんてくよくよ言ったりするでしょうか?
もしそんなことを言っていたらその犬は飢えて死んでいくだけでしょう。
実際には「失敗した、まあいいか、次」「そうか、こう狩りにいけばいいのか」と、こういう考えになるのは想像すればわかりそうですよね。
つまり、人間に不都合なことをした時に叱っても、一時はビックリしても次の瞬間には「次はどうしようか」と考えてしまうわけですね。
二、ストーリー記憶が刻まれにくいから
ストーリー記憶とは名前のままで物語としての記憶のことです。
「この場所でこの時間でこんな匂いがしてこんな音がしてこれがこうなってあの人がこうなって自分がこうなった」という『繋がりの記憶』です。
「家族が誰もいなくなって暇になってうろうろしてたら台所から気になる匂いがしてきてガサガサいう袋があって興奮してビリビリにして満足したからいつもの場所に戻って寝てたら家族が帰ってきて悲鳴をあげて自分のところにきて大声上げて叩いてきた」ということがあったとしたら、犬は「大声上げて叩いてきた」ということしか把握できていないのです。
台所の袋のことが家族が怒った原因と繋がらないのです。
三、条件付け学習をするから
犬はオペラント条件付けという学習をします。
Aが起きたらB、CをしたらD、という風にアレとコレしか繋がりが持続しません。
上記の例で言えば犬の「怒られた」ということと「何」がつながるかというと「家族が帰ってきた」か「大声を上げた」に繋がるでしょう。
その状態で犬を叱っても犬は意図しないことに繋げてしまうだけで「ごみ袋」のことなど微塵も意識に無いのです。
四、副作用があるから
さらに犬に罰を与えると、犬は人間に不信感を覚えることになります。
信頼感は長い長い時間が必要ですが不信感は一瞬でそれを消してしまします。
犬を叱ることを難しくしているのはこれが最も重いです。
明らかに犬が悪いことをしていて、その状況で怒鳴ったり叩いたりしても犬が「人間は恐ろしい」と認識してしまえばそれを変えることは出来ません。
その結果人間を噛んだり吠えるようになってしまいます。
そうならなくても不信感のある人間に囲まれて暮らす犬の気持ちは想像したら分かりますよね。
まとめ
- 犬は叱っても意味がない
- 意味がないどころか逆効果
- 最悪犬と人間の関係が壊れる
私たちは人間であり、彼らは犬です。
それを忘れているのか意識してないのか、人間と同じように罰を与えてしまう飼い主さんが多いです。
犬には犬の心理や学習工程があるので、そこを人間がしっかり理解して犬とのより良い関係を築いていきましょう。
では^^
コメント