こんにちは、公認訓練士のいぬ先生です。
今回は犬の引っ張り癖の治し方を解説します。
この記事を読めば
- 引っ張り癖の治し方が分かる
- 引っ張る理由が分かる
- 犬の行動学を知れる
以上の効果が得られます^^
では早速みていきましょー
なぜ引っ張るのか
基本的に犬はやりたくないことを自ら進んで行いません。
つまり散歩中に引っ張るのは嬉しい、楽しいからなんですね^^
以前、『【引っ張る】公認訓練士が理由と治し方を教えます』内でリードでコントロールをして人間の左側に来たら褒めましょうとお伝えしたのですが、人間に目もくれず目の前の興味のある対象に夢中になっている犬をコントロールするのは容易なことではありません。
ですので今回は引っ張る犬のコントロールを軸にお伝えします。
痛みでコントロールしても無駄
訓練士の多くは「犬が前に出たらショックで前に出るのを押さえて下さい」と言います。
ショックとはリードを強く瞬間的に引いて犬をビックリさせる行動を言います。
このショックは「やめ」を教えたり、弱めに使えばこちらに注意を向けたり行動を抑制したりするときに使える効果的な技術です。
しかし、犬が前に出ている状況で使っても効果はありません。
それはなぜか
犬の言語であるボディランゲージにそういう内容が無いからです。
現代的な犬の訓練とは、犬の行動学から導かれた犬の本能や行動原理に沿って行われるものが主流です。
(未だに力で押さえつける系の方もいますが仕事が無くて廃れてますね^^)
その中に『自分の進行方向とは逆方向に力を加えられたら後退する』という行動の法則は無いのです。
つまり、前を歩いている犬をショックで下げようとしても犬に「ちょっと何言ってるか分からないです」と言われてしまうわけです。
後退させる技術
ではどういう方法を使って犬を人間の足元まで後退させればいいのか。
もちろん理想は名前を呼んで指示で左側に付けることですが、ここでは「そんなのとんでもない」方向けの方法を2つお伝えします。
1.犬の前に立ちはだかる
犬の前に、犬と正対してたちはだかり前進(犬は後退)します。
これは犬の行動原理的に理に適った方法です。
人間で考えてみても分かりますが、自分の前に生き物が居て、ずんずん迫ってきたら後退してしまいますよね?
その心理を用いた方法です。
リードコントロールで犬の前に出る必要があるので少しコツが要ります。
まずはリードで犬を止めます。
そのままリードを手繰るように短くしていきどちらかの手で持って、犬と自分の距離を取るように前に出ます。
その状態のままじりじりと前に出ます。
前進しているときは声をかける必要はありません。
犬が少し後退したらリードを緩めて横に着きます。
そしてその状態を褒めましょう。
2.上に引っ張る
この方法も同じく犬の行動学に沿った方法です。
方法はリードを犬の真上に引くだけです。
前足が浮かない程度に力を加減してください。
犬を飼っている方は納得できると思いますが、犬の頭を足で挟むと後ろに下がって抜けようとしますよね?
または手で顔をぎゅーっと挟んでも後ろに下がります。
これと同じで苦しい状態から抜け出すために後退する本能を利用します。
そして、後退して足元に来たらそれをしっかり褒めます。
まとめ
- ショック(痛み)で前に出ている犬を下げるのは理に適っていない
- 行動学的に有効な方法はある
- 犬の前に出て後退させるか、上に引っ張って後退させるか
いかがでしたか?
ショックでコントロールされている犬は殴られるから言うことを聞いているだけの状態です。
そんな方法は人間も犬もイヤな気持ちになります。
現在は犬という生き物にとって合理的な訓練の方法がいろいろ分かってきています。
しつけを考えている飼い主さんは、いろんな訓練士から話を聞いて力で押さえつける系の訓練士に当たらないように注意してくださいね。
犬と人間のより良い関係の一助になれたら嬉しいです。
では^^
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