こんにちは、公認訓練士のいぬ先生です。
今回は犬の噛み癖の治し方の紹介です。
この記事を読めば
- 犬の心理が分かる
- 犬の噛み癖の治し方が分かる
- 犬のしつけの大変さが分かる^^
以上の効果が得られます^^
では早速みていきましょー
なぜ噛むのか
詳しくは『【噛む】犬が人を噛む理由を公認訓練士が解説』で解説しているのでご覧ください。
理解が深まると思います。
要するに良いことがあるから噛むんですね。
例えば
- おやつが貰える、これは良いことですね。
他にも
- 怖い人が近づいてきた、だから噛んだ、そうしたら居なくなった。
これも犬からしたら良いことに含まれることですね。
つまり噛むという行動の結果犬自身にメリットがないと犬は噛まないということです。
パターン別治し方
犬が噛む理由の大まかな4つに絞って治し方を解説していきます。
犬が噛む大まかな理由は以下の4つです。
- 怖い
- 遊びたい
- 守りたい
- 癖
では解説します。
怖い
このパターンはとにかく慣れしかありません。
あなた(犬)に近づく人間は何もしないということを時間をかけて犬自身が理解して納得するしか方法はありません。
慣れさせるのは人間でも慣れるのは犬であるということを忘れないようにして下さい。
具体的には
- リードを固定して周囲を人間がうろつく
- 道行く人におやつをあげてもらう
- 噛む状況を何度も繰り返す
これらの方法があります。
1.リードを固定して周囲を人間がうろつく
この方法は保護犬などの心を開いていない状態の犬にも有効です。
家の中の人間動く範囲にリードを繋いでそのまま生活するだけです。
その時は特別構わないことが肝心です。
普通に暮らしてなんとなく犬に声をかけてそのまま餌をあげて水をあげていきます。
その状態であれば犬は噛みに来れませんし、ハウスに入っていないのでフラットな精神状態で人間を観察できます。
そうすればだんだんと犬も緊張状態や警戒心を解いていき、噛むという行動を減らしていくようになるのです。
2.道行く人におやつをあげてもらう
リードをどこかに繋いで行う方がやりやすいです。
駅の近くやスーパーの出入り口など人が多く通る場所が頼める人も多くていいですね。
笑顔で見つめている方や声をかけてきてくれる方などにお願いしましょう^^
用意していたおやつを渡し、犬にあげてもらいます。
口に直接あげれないようであれば犬の足元に投げてもらうだけで十分な効果になります。
犬の程度によりますが、もし触っても大丈夫なのであれば撫でてもらうのも良いですね。
3.噛む状況を何度も繰り返す
正確には噛む状況の寸前を繰り返す、です。
犬にはそれぞれ『ここまできたら(精神的にも物理的にも)噛む』というラインがあります。
その寸前、または一歩手前くらいを繰り返し行います。
ここで注意して欲しいのは『無意味なプレッシャー』をかけないようにすることです。
例えばハウスにいる犬を棒でつついたり、犬を叩いたり蹴ったりする真似をしてみたりです。
あくまで人間社会で少なくとも乗り越えてほしいことや状況を想定していなければなりません。
それを繰り返していくうちに「あーはいはい、いつものアレね」という反応に変わっていきます。
そこまできたらさらにもう一歩、噛みそうな状況を進めてみましょう。
例えば爪切りで噛みにくる犬がいたとします。
段階としてはこうです。
- 爪切りを見せる
- 爪切りを犬の足に当てる
- 足を触る
- 足を握る
- 足を持ち上げる
- 足を持ち上げて爪切りを当てる
- 爪を切る
このどの段階で噛むかを見極めて、その一歩手前で止めて褒めるを繰り返すのです。
その中で「慣れてきたかな?」という時に一段階進めてみるのです。
その段階が大丈夫であれば次はそこを目標に繰り返しを行います。
ただし、毎回一歩進んだところまで行うと犬もイヤになる場合があります。
なので、最高の2歩や3歩手前、たまには最初の段階で止めて褒めることも必要です。
遊びたい
遊びに誘う時に飼い主を噛むパターンです。
この場合は叱るコマンドを教えておくとあっさり解決する場合があります。
※詳しくはこちら『【冷静に】犬を効果的に叱る方法!犬に伝わる叱り方、人間の心構えも解説』
犬が噛んだ時、もしくは噛もうとした瞬間に「決まった言葉」をかけて犬の行動を制止します。
その後、別の行動(おすわりや座れなど)をさせてそれを褒めればいいのです。
別の方法としては、無視があります。
ただただ無反応。
そうすれば犬は「噛んでも良いことがないぞ」と次第に理解していきます。
ただこの場合は無視=我慢なので無理はしないで下さいね。
痛いですもんね^^
もしくは手におやつを持つという方法もあります。
犬は手=おもちゃと勘違いしていることがほとんどですのでその意識を<手=おやつが出てくる装置
に変えてしまうわけです。
家の数か所におやつを準備しておき、犬が噛みそうな時に手におやつを持って準備しておきます。
犬が手に近づいてきたらおやつをあげるだけです。
パターンとしては
- 手に近づいてきた時
- 手の匂いを嗅いだ時
- 手を鼻でつんつんして、離れた時
これらがありますが、理想は3です。
犬に「手に何もしないこと=おやつが出てくる」と覚えさせるのです。
そのうちに手を見ても噛むという反応をしなくなってきます。
守りたい
おもちゃを取り上げる時が圧倒的に多いです。
この時の犬は「取られたくない」というのもありますが「取られたら遊びが終わりだ」という心理が働いています。
ではどうすればいいか。
おもちゃを取られてもまだ遊びが続く(またおもちゃが帰ってくる)と思わせればいいのです。
まず最低限「やめ」を教える必要があります。
詳しくはこちら『【やめ】おもちゃを離す、口に咥えた物を離すしつけの方法を公認訓練士が解説』
そして犬がおもちゃを咥えたとき、もしくは手元におもちゃがある状態の時に「やめ」をかけます。
その後に、おやつをあげたり別のおもちゃをあげたり、また同じおもちゃを与えたりします。
それを繰り返していくうちに「やめてもまた返してくれる」「やめたことにも良いことがある」と学習していきます。
そうすれば犬の守る=取られたくないという気持ちが薄れていくので噛みにくくなるのです。
癖
これは非常に厄介です。
特別な状況でなくても噛みに来ます。
はっきり言ってここまで放っておく飼い主が悪いです。
まだ甘噛みの延長であれば叱るコマンドで止められるのですが、それも助長されて噛めば上手くいくと学習してしまったら同じことです。
解決方法としては、プロの訓練士にお願いして訓練を入れてもらうことが必要でしょう。
※訓練士の選び方はこちら『良い訓練士・ドッグトレーナーの見分け方を公認訓練士が解説』
この状態の犬は自分の都合や気分で噛みにくる『お殿様・お姫様』状態であるため、人間の働きかけに全く応えません。
その状態をまずはノーマルに戻す必要があるのです。
そして訓練士が入れた訓練に沿うように生活をしていく必要があります。
今までの生活や習慣が噛む犬を作り出したのですから当たり前です。
もちろん飼い主自身が学習し犬と良い関係を再構築していく練習も怠ってはいけません。
犬にとっては飼い主は世界で一番好きな人なのですから。
まとめ
- 犬は良いことがないと噛まない
- 犬にも噛む正当な理由がある
- 噛むのが習慣化する前にプロに相談しよう
いかがでしたか?
噛まれて痛いのは人間ですがそもそも噛むという行為を選択した時点で犬にもストレスがかかっています。
そこを忘れないでください。
犬の心理を理解して、噛み癖を治すきっかけになれたら嬉しいです。
では^^
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