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【オーリ】私が担当した犬。この子が遺してくれたもの

嬉しい犬

こんにちは、公認訓練士のいぬ先生です。

前回、立派に生きた犬『ボス』についてお話しました。

今回も犬の死にまつわる話です。

この記事を書いてるのは?
  • 犬の訓練歴15年
  • 警察犬30頭以上育成競技犬・救助犬も育成
  • 家庭犬の訓練を主に活動中
  • しつけセミナー活動も行う
いぬ先生です
目次

オーリ

訓練所時代に私が担当していたオーリという犬がいました。

メスのオーリはとても可愛い顔をした犬でした。

いぬ先生

美人系より可愛い系でしたね^^

先輩が訓練をしていた犬なので、私が担当になった時には歳もそこそこ取っていました。

若い頃はバリバリだったそうですが当時は控えめな感じでした。

ただその片鱗は残っていたようで、私が別の犬を訓練しだすとハウスの中で

ワンワン吠えて暴れていました。

いぬ先生

「わたしも訓練したいー」って言ってたんでしょうね^^

訓練は足跡追及と臭気選別をやっていたのですが、とても感度が良く優秀な犬でした。

警察の嘱託試験も合格して、現場に一緒に行ったこともありました。

何年かして

その後も一緒に競技会に出たり、事件現場に出動したりと私と行動を共にすることが多い子でした。

しかし、もともとの年齢もあり、さらに一緒に何年も行動をしていたため、やはり歳には勝てずに老いが目立つようになってきました。

私が別の犬を訓練していても吠えることも無くなり、ジーッとこちらを見ているだけになりました。

それでもグラウンドに出してボール投げや追いかけっこをすれば尻尾を振って喜んではしゃいでいました。

それでも段々とエサの食べが悪くなっていったり、足取りがおぼつかなくなってきたりしました。

オーリの血統的に丈夫だったようで、目と耳は衰えてはいませんでした。

私の声が聞こえたらムクッと体を起こしたり、ハウスの前を通ったらぐるぐる回って存在をアピールしていました。

それから

段々と寒くなってきました。

オーリは歩いて動くことはできますが、もうボール投げや追いかけっこはできないくらいに弱っていました。

それでも日中の日差しが出ている時にグラウンドに出してあげてゆっくりとお散歩をしたり、たまには訓練所の外に出て街を歩いたりしていました。

そんなときはゆっくりと尻尾を振りながら、ときどきこちらを確認するように振り返りながら前を歩いていくのでした。

それでも、エサを食べる量も減っていき、その期間が徐々に伸びていき見るからに痩せてしまっていました。

あったかい日の朝

ある暖かい日の朝。

私は起きてすぐにオーリの顔を見にいくのが日課になっていました。

声をかけてツンツンすると「どうしたの?」という顔をしてオーリはこちらを見上げました。

安全のために老犬は後でゆっくり出してあげることになっていたので「ちょっと待っててね」と声をかけてオーリ以外の犬たちのトイレを終わらせました。

そして。

「お待たせー」と言いながらオーリのハウスを開けました。

オーリはゆっくりと起き上がると、顔を私に擦り付けてきました。

そして「ワンッ!」と大きな声で一言吠えた後、そのまま息を引き取りました。

私は腕の中で亡くなったオーリを抱いて泣きました。

オーリはだんだん冷たくなっていきました。

訓練所がいつもお世話になっている葬儀屋さんに連絡をして火葬を依頼しました。

オーリが大好きだったおやつや、いつも使っていたボールを一緒に持たせてあげました。

オーリを見送った後に先輩から言われました。

「あなたを待っててくれたんだね」と。

最期に元気な姿と声を残そうとしてくれていたんだと。

最期に私に触れていたいと思ってくれていたんだと。

そのオーリの気持ちを思うとまた涙が込み上げてきました。

感想

いかがでしたか?

いぬ先生

私は書いてて涙がまた溢れてきてしまいました(´;ω;`)

犬って本当にあったかいですよね。

大切にすればその分だけこちらも大切に思ってくれますね。

あなたの『うちの子』をもっと大切に思えるきっかけになれたら嬉しいです。

いぬ先生

では^^

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