こんにちは、公認訓練士のいぬ先生です。
今回はちょっとお勉強的な内容でお送りします。
この記事を読めば
- 犬の学習工程が分かる
- 犬の考えが分かるようになる
- しつけがスムーズにいくようになる
以上の効果が得られます^^
では早速みていきましょうー
犬の学習
犬は習慣で学習します。
いきなり結論ですね^^
『Aが起きたらBが起きる』という状況を何度も経験した犬はそれを認識できるようになるということです。
よく私が飼い主さんに例に出すのはインターホンです。
- インターホンが鳴る
- 飼い主が動く
- 誰かが来る(声が聞こえる)
- 怖いor嬉しい
- 吠える
この1~5までの一連の流れがほぼ変化が無く繰り返し行われます。
ピンポンダッシュされない限りは^^
すると犬はインターホンが鳴る=吠えるという学習をするのです。
これを『古典的条件付け』と言います。
有名な実験では『パブロフの犬』というものがあります。
メトロノームを鳴らして犬に餌をあげることを続けると、犬はメトロノームの音を聞くだけでよだれを垂らすようになるというものです。
本来関係がないメトロノームの音とエサが関係していると犬が学習するのです。
この理論は犬の訓練やしつけに大いに関係しています。
オペラント条件付け
ここからもう少し難しくなりますよ。
オペラント条件付けという考え方です。
昔の偉い人がいろいろ調べた結果以下の表のようになりました。
古典的条件付けとの違いは犬自身が考えて行動を増やしたり減らしたりする点です。
古典的条件付けではメトロノームを鳴らさないとよだれは出ませんが、オペラント条件付けでは犬自身がその行動を行ったり行わなかったりします。
しつけに応用するためには
犬の学習は以上の要領で行われることが分かりました。
ではこれをどのように犬のしつけに当てはめ、落とし込んでいくのかを考えていきましょう。
基本的には『正の強化』のみで構いません。
とにかく『人間(飼い主)にとって良いことが起きた時に褒める、おやつをあげる』
これだけで犬は十分にしつけは進められます。
そのために褒められる状況作りを人間が用意していけばいいのです。
それ以外の考えはあてはめることが難しく、叱るというのは人間にとってリスクになりえることですので一般的にはおすすめしません。
例えば人に吠えてしまう犬がいたとします。
その犬の『吠える』を減らそうと罰として叱るとします。
一応理屈では『吠えた』瞬間に『叱る』という罰をあたえれば犬の行動は減少していきます。
罰だと認識していない場合があるのです。
むしろ多くの犬は飼い主が興奮して自分になにか言ってきている状況を喜ぶことがほとんどです。
さらに、もしその『叱る』を罰だと認識したとしても、犬は『人間は罰を与えに来る動物』だと理解してしまいます。
その結果飼い主を噛んだり、もしくは怯えるようになってしまいます。
そうならないためにも、とりあえず難しい罰は考えずに良いことを褒めることだけを続けた方が犬にも飼い主にも健全です。
行動を減らすには
とは言っても吠えればうるさいし、噛まれれば痛いです。
ではそういう時はどうればいいのか、お伝えしましょう。
そういう場合は『消去』を使います。
これは強化で増加した行動を減らしていく考えです。
具体的には
- おすわり→おやつをあげる
これを
- おすわり→おやつをあげない
と変えてしまいます。
犬は「おすわりでおやつがもらえる」と考えて座っていましたが「おすわりをしてもおやつが貰えない」となると座らなくなります。
または
- インターホンが鳴る→吠える→誰かが来る
という状況を
- インターホンが鳴る→吠える→何も起きない
と変えても消去は使えます。
「インターホンが鳴ると誰かが来るから吠えるぜ!」という考えを「インターホンが鳴っても誰も来ないし何も起きないから吠えるのなんかバカらしい」と変えていきます。
この『消去』は犬を叱らずに問題行動を減らす方法です。
まとめ
- 古典的条件付けとオペラント条件付けがある
- オペラント条件付けは4つの考えがある
- 問題行動を治すには『消去』を使う
いかがでしたか?
途中いっぱいいっぱいになりませんでしたか?
私はなりました^^
まあ「こういう考えがあるんだな」くらいの知識として知っておいて下さい。
犬のしつけは技術どうこう知識どうこうというよりまずは『嬉しい楽しい』が基本です。
頭でっかちにならないように気をつけてくださいね。
では^^
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